仲が良い事=チームワークではない
ベストパフォーマンスを発揮しよう
「チームワークが良い」という言葉は、果してチームのどのような状況を指すのでしょうか。「チームのメンバー同士の仲が良いこと」と定義する人もいるかもしれませんが、実はそれは間違いです。ビジネスで編成されたチームの目的は、メンバー同士が仲良くすることではなく、仕事の成果を上げることです。その意味では「チームのメンバーが成果を上げるという目的のために、ベストパフォーマンスを発揮できている状態」こそが、チームワークが良い状態と定義することができるでしょう。とはいえチームのメンバー同士がいがみ合い口も利かないような状況では、大きな成果を上げることなどできません。チームのメンバー同士が社会的マナーを守り、社会人として適切な態度を取ることができる事は、優れたチームワークを発揮するための前提条件と言えます。
あえて空気を読まずに意見を言えるメンバー
チームワークを良くしようと思った時に、お互いの空気を読んで他のメンバーを傷つけない意見しか出せなくなることがあります。このような状況に陥ったチームは、仕事の成果よりもチームの調和を優先しています。刺激的な意見を出したり、メンバーの誰かのアイデアを否定するような意見を出した時にチームの雰囲気が悪くなってしまうようなチームは良いチームとは言えません。ベストパフォーマンスを発揮するためには摩擦は避けられないとメンバーが自覚して、あえて空気を読まずに意見を口に出すことができる状態が保たれているのが良いチームの条件となります。当たり障りのない意見しか出ないより、反対意見でも刺激的な意見が出るほうがアイデアの強度を上げることができるとチームのメンバーが知っていれば、空気を読みすぎて自分の意見を引っ込めてしまうことはなくなるでしょう。
摩擦は気にしない
チームのメンバーがチームの雰囲気を良くすることを優先し、摩擦が起きそうな意見を引っ込めてしまう時は、チームとしてのゴールが定まっていないのかもしれません。チームのリーダーはチームのメンバーに明確なゴールを示す必要があります。今、このチームはどこに向かって進んでいるのか、どのゴールを決めようとしているのかをメンバーに示すようにしましょう。ゴールが定まっているチームのメンバーは、ゴールを決めることを最優先して行動することができます。チームを仲良しグループにしてしまうリスクも少なくなります。
プロのサッカーチームはゴールを決めるために激しく意見を戦わせますので、ケンカをしているような状態に見えます。しかしゴールを決めた瞬間、メンバーが集まって抱き合って喜びます。ゴールを決めることを最優先にしているため、そこにいたる過程で起きる摩擦は当然だと思っているためです。ビジネスシーンでも同様に、ゴールを決めるための過程で起こる摩擦をチームのメンバー全員が当然と捉えることが大切です。