メンバーそれぞれに与えられる役割
「チームリーダー」と「リーダー補佐」
チームのメンバーは個性を活かせる役割を担うことが大切です。どのような組織にも様々な役割を担う人がいてこそ組織が円滑に機能するようになるからです。まず重要な役割として「チームリーダー」があります。チームリーダーに必要な能力は、大きな成果を上げるためにチームワークを良くする能力、そしてメンバーから信頼される人間性を持っていることです。チームリーダーにはこの二つの能力が備わっていることが大切で、チームワークを良くするための具体的な方法は個人に任されます。先頭に立ってチームを引っ張る方法や調整役に徹する方法、コーチングをしてメンバーの能力を引き出す方法など様々な方法があります。
「リーダー補佐」も重要な役割です。チームリーダーの目が行き渡らない部分をリーダー補佐がカバーします。メンバーと距離を置く必要があるチームリーダーとの間に入り、橋渡し的な役割も担います。またチームリーダーが間違った方向に進みそうな時に異論を唱えるのもリーダー補佐の重要な役割です。
「ムードメーカー」と「嫌われ役」
この人がチームにいると明るくなる、雰囲気が良くなるという人が必要です。チームが機能しやすくなるからです。これが「ムードメーカー」です。空気を読んで発言をするタイプの人よりも、どちらかと言うと天然タイプの人のほうがムードメーカーに向いています。天性の魅力によりなぜかチームの空気を明るくポジティブな方向に持って行ける、チームにとって得難い存在です。
一方でチームに苦言を呈すことで、チームを良くしていく役割もあります。いわゆる「嫌われ役」と呼ばれる損な役割です。チームの空気が緩んでいる時、メンバーの誰かが勝手な行動をしている時に、たしなめる言動を行う役割を担います。後に振り返った時に「嫌われ役の一言のおかげで正しい方向に戻れた」と気付かれるような存在です。ムードメーカーと嫌われ役は、飴と鞭のような存在でもあります。良いチームにはムードを高めるムードメーカーと、たるんだメンバーを戒める嫌われ役が存在します。
公正な判断力を持った「まとめ役」
チームのメンバーが活発な意見を出し合い、様々なアイデアを生み出すチームは良いチームです。しかしメンバーの意見やアイデアを放置したままでは、成果を出すための形になりません。そこで必要なのが「まとめ役」です。様々な意見の長所を切り抜き、アイデアのポイントを押さえて、メンバーに分かりやすく解説します。他のメンバーの意見やアイデアに納得できないメンバーもまとめ役の意見を聞くことで納得して次に進むことができるでしょう。まとめ役に求められるのは「公正な判断力」です。メンバーはまとめ役が公正で偏りがない考えの持ち主だと理解している時に意見を素直に聞くことができます。公平な意見を持ち、誰に対しても公平に接してくれる人が、まとめ役に求められる資質になります。